【静岡(清水)のサッカーの歴史】③清水エスパルスの歴史【前編】~市民クラブが栄光を掴むまで~

「清水エスパルス」

サッカーのプロリーグであるJリーグに所属。

静岡(清水)に住んでいて清水エスパルスを知らない人は1人もいないと言っても過言ではありません!

地域に愛される清水エスパルスの歴史を、一緒に振り返りましょう!

なぜ、清水エスパルスは愛されるクラブなのか?
どのような戦績を残してきたのか?

本記事を読めばその理由が分かります!

本記事の結論

・Jリーグ開幕初年度から躍進し、実力を証明する

・カップ優勝、ステージ優勝を果たし、2000年頃に清水エスパルスは黄金期を迎える

清水エスパルスの歴史【前編】

清水エスパルスはJリーグ発足時のオリジナル10として、市民クラブながら選出されて歴史が始まります。

オリジナル10の10クラブの中で、唯一母体となるクラブが実業団ではなく、かつ日本サッカーリーグ (JSL) に加盟していないクラブでした。

①1991年 清水FCエスパルス始動

企業を母体にもたないクラブであったため、まずは運営企業を募るところからのスタートです。

運営企業として、テレビ静岡をはじめとして中日新聞東海本社、フジテレビジョンなどが出資、さらには市民からも1割の持株を募り、株式会社エスラップ・コミュニケーションズを設立しました。

市民球団としてスタートしたエスパルスは、こうして地元メディアなどが中心となって株式会社を設立。

さらには市民も資本金の1割を出資して、街全体が「サポーター」としてクラブを後押しする環境が整ったのです!

運営企業を募り、市民も出資して、クラブを後押しする体制が整った

発足当初のチーム名は清水FCエスパルス

清水FCを母体としていたため、チーム名清水FCエスパルスに決定!

オリジナル10の他9クラブは企業を母体としていたため、チーム名においても企業チームとの差別化を図りました。

S-PULSE(エスパルス)の「S」は、

「サッカー」「清水」「静岡」

の頭文字を意味し、英語で「心臓の鼓動」という意味の「PLUSE」を組み合わせたものです!

さらに、エンブレムの3本のブルーの縦じまは、エスパルスの理念である「夢・感動・誇り」を意味し、クラブ名を大きくはっきりと真っすぐに表示して、スポーツマンシップに則った姿勢を表現しています。

さらには、地球儀のシンボルについても形状を磨いて大きく表示し、クラブの活躍が世界に通じることを表しているのです!

チームカラーはオレンジ

当初、チームカラーは清水FC伝統のマリンブルーが有力視されていました。

しかし、オリジナル10のうち6クラブが青を希望したため、静岡の特産物である「みかん」などをイメージしたオレンジに決定しました。

清水エスパルスといえばオレンジというイメージはすっかり定着していますね!

※ちなみに余談ですが、本ブログはエスパルスカラーのオレンジとネイビーを採用しています。

ホームスタジアムはサッカー専用の日本平運動公園球技場

1991年は高校総体サッカー競技が静岡県で行われ、そのメイン会場として日本平運動公園球技場が完成しました。

開場当時、日本では1万人収容のサッカー専用スタジアムは前例がなく、プロリーグでの使用にも十分に耐えられるものと考えられました。

清水エスパルスがオリジナル10に選ばれた要因の一つとも言えるでしょう。

日本平運動公園球技場は、現在でも清水エスパルスのホームスタジアム「IAIスタジアム日本平(略称:アイスタ)」として、ファンに愛されています!

日本平スタジアム(1995年-2009年)
アウトソーシングスタジアム日本平(2009年-2013年)
IAIスタジアム日本平(2013年-現在)

アイスタは、Jリーグペストピッチ賞を最多の9度も受賞しています!

マスコットキャラクターはパルちゃん

名前の由来は、エスパルスとサポーターを結ぶ「友達(パル)」から。

パルちゃんの耳の羽は、現代版の羽衣を表しています。

これは、静岡市清水区にあり富士山世界文化遺産に登録されている「三保の松原」の天女伝説で知られる、「羽衣の松」が由来となっています!

②1993年 Jリーグ開幕

エスパルスの初陣は5月16日三ツ沢球技場で行われた横浜フリューゲルス戦。

惜しくも2-3で敗れ、歴史的一戦を白星で飾ることはできませんでした。

だが、Jリーグ開幕前に行われた前年のナビスコカップ準優勝の実力は本物で、1stステージでは10チーム中4位、2ndステージでは2位、ヤマザキナビスコカップ2年連続準優勝、天皇杯ベスト4と、初年度から好成績を収めるのです!

清水エスパルスはJリーグ開幕初年度から好成績を残す。

③1996年 悲願の初優勝&チーム名『清水エスパルス』に

1996年は、Jリーグ初の1シーズンで実施されましたが、チームは10位と振るわなかったのですが、ついに初タイトルを手にします!

そう、ナビスコカップ優勝です!!

9月25日ナビスコカップ決勝、対するはヴェルディ川崎。
終盤に2点のリードを追い付かれ、延長戦、そして大会初となるPK戦での勝利…。

チーム創設5年にして初の栄冠を手にします!!

さらにはこの年、「清水FCエスパルス」から「清水エスパルス」にチーム名を変更します!

チーム創設5年目で初優勝となるナビスコカップ優勝を果たす。

④1997年 運営会社の経営破綻でクラブ存続危機

地元メディアと市民による出資金で運営していた清水エスパルスでしたが、1997年に運営会社が経営破綻するという危機を迎えました。

クラブの消滅も危ぶまれる中で、サポーターはクラブの存続を訴えて署名活動を実施します。

実にその署名数は清水市民を上回る約31万人分にのぼり、存続を望むムードは地元の老舗の海運業である「鈴代(すずよ)」に伝わり、経営権が譲渡されることになりました。

そして、株式会社エスパルスとして新たな船出を切るのです!

「全国一のサッカーどころ」の危機は、それを作り上げてきた市民、サポーターの力によって回避することができました!

運営会社が破綻というクラブ消滅の危機を、サポーターの熱意で乗り切る

⑤1999年 初のステージ優勝

この年は1stステージ3位。勝ち点4差でまたしてもリーグタイトルに届きませんでした。

しかし2ndステージでは、中盤戦で8連勝を飾るなど抜群の安定感を見せ、ついに念願のステージ優勝を決めるのです!!

ステージ覇者同士で争うチャンピオンシップで、日本一の座を掛けて戦うのはライバルであるジュビロ磐田

第1戦は1対2の敗戦…。ホームでの第2戦は相手に先制を許すも、FK弾が決まり同点に!
延長戦で決勝点を挙げて2戦合計結果をタイに戻します。

その後のPK戦で敗れたはしたものの、最高の舞台で白熱した静岡ダービーを見せてくれたのです!

ちなみに、この年に大活躍したアレックスがJリーグMVPを獲得。べストイレブンに最多6人が選出。チームを指揮したペリマン監督も最優秀監督賞を受賞するなど、「エスパルス is No.1」のシーズンでした!!

ついにリーグ戦2ndステージで優勝!JリーグMVP、ベストイレブン、最優秀監督賞などの賞を総なめ

⑥2000年 アジアカップウィナーズカップ優勝

AFC主催大会への初参加となったアジアカップウィナーズカップ1999-2000。

準々決勝で安養LGチタスを破り決勝トーナメントへ進出すると、迎えた準決勝ではバンコクバンクをPK戦の末に撃破
決勝のアル・ザウラー戦では1-0で勝利します!

エスパルスは初めてアジアのタイトルを獲得するのです!!

アジアスーパーカップでは、アジアクラブ選手権1999-2000優勝のアル・ヒラルとの間でのホーム&アウェイで行われ、1分け1敗で惜しくもアジアチャンピオンには一歩届きませんでした。

2000年は、アジアでの確かな軌跡を残したシーズンであったといえるでしょう。

さらには、天皇杯でも2大会ぶりに決勝進出ゼロックススーパーカップでは優勝を果たします!

アジアのタイトルを初獲得!天皇杯、ゼロックススーパーカップでも戦績を残す。

⑦2001年 天皇杯初優勝

2001年シーズン、元日決勝(2002年1月1日)が行われた天皇杯に勝ち残ったエスパルス。

3度目の決勝進出となった天皇杯決勝にて、延長Vゴールの末にセレッソ大阪を3対2と撃破し、見事に天皇杯初優勝を果たします!!

まさに三度目の正直で天皇杯を制したのです!

さらには、2月に行われたゼロックススーパーカップを連覇しました!

戦績を見ると、2000年前後はエスパルス黄金期と呼んでも差し支えないでしょう!!

天皇杯初優勝を果たし、エスパルスは黄金期を迎える。

まとめ:市民クラブでスタートした清水エスパルスは、クラブ存続危機を乗り越え2000年頃黄金期を迎えた

数あるJリーグのクラブの中でも、清水エスパルスは市民クラブとしてオリジナル10に選出された特異なクラブです。

選出時に最も疑問視されたのはその実力…。

しかし、言わずもがな開幕初年度からその心配は吹っ飛びます!!

清水エスパルスが優勝を果たした戦績を以下にまとめます。

1996年 ナビスコカップ優勝
1999年 2ndステージ優勝
2000年 アジアカップウィナーズカップ優勝、ゼロックススーパーカップ優勝
2001年 天皇杯優勝、ゼロックススーパーカップ連覇

こうして、名実ともにJリーグの顔としての役割も果たしていくことになるのです。

(後編へ続く)

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